
2026年 島秀雄記念優秀著作賞 受賞!
(単行本部門/鉄道友の会選定)
元広電運転士が、電気課長の業務日誌から
80年前の広島を掘り起こす
「被爆からわずか3日後、焼け野原の広島を路面電車が走った」
2015年にNHKでドラマ化もされた出来事です(「戦後70年 一番電車が走った」)。その復旧の現場にいた広島電鉄の電気課長・松浦明孝さんが、1945年の日々を業務日誌に書き残していました。本書では、元広電運転士の著者がその日誌を見つけ出し、それを一日ずつ読み解いています。
「奇跡」の一語で語られてきた復旧。誰が何を決め、誰が手を動かしたのか。日誌の記述を行政の史料などとも照らし合わせながら、その道のりを、一日一日たどります。
巻末には業務日誌の原本と要約も収録。
【島秀雄記念優秀著作賞とは】
鉄道友の会が毎年、鉄道分野の優れた著作物に贈る賞です。名前は同会初代会長で「新幹線の父」島秀雄氏に由来します。
【選定理由】
本書は、広島電鉄の乗務員として長年に亘り勤務された著者が、1945年8月6日の原爆被災当時に広島電鉄で電気課長を務めていた人物の「業務日誌」を一次史料として、行政関連の史料等とも照合しつつ、被爆直後の広島電鉄の復旧過程を、これらの記述と照らし合わせながら克明に検証した作品です。史料に基づき、これまで復旧への関与の状況が詳らかでなかった軍・各軌道事業者・民間人等の団体などの関与を整理の上、これまで知られていた「通説」を補足・修正することで広島電鉄の復旧過程を再構成して後世に伝え得るものとした著者の着眼点と考察力は、高く評価されます。また、「業務日誌」の原本や要約が巻末にまとめて掲載されている点も、本書の資料的価値を高めています。以上により、受賞作に選定しました。
(鉄道友の会HP「2026年 選定作品の解説・選定理由」より)
中田 裕一 著
2025年4月15日発売
四六判 192ページ
1650円(税150円)